お客様のお悩み
こんにちは、株式会社アイオイです。
今回は、NC旋盤の代表的メーカーであるマザック社の「QUICK TURN SMART 100S」に発生したトラブルと、その修理対応についてご紹介します。
突然のアラーム表示、テールストックの不動作、そして思わぬ事態に発展した“全軸原点消失”──
一見すると大掛かりな修理になりそうな状況でしたが、的確な対応により、予定の半分以下の時間とコストで復旧を果たすことができました。
それでは、詳細を順を追ってご紹介します。
■ まずは機械のご紹介:QUICK TURN SMART 100Sとは?
今回の対象機種は、マザック(ヤマザキマザック株式会社)製のCNC旋盤「QUICK TURN SMART 100S」です。
この機械は、丸物(円柱状の金属部品)を高精度・高効率に加工するNC旋盤で、自動車部品や機械部品、医療機器、建設用部品など、多岐にわたる金属加工現場で活躍しています。
主な加工内容
- 外径加工(シャフトなどの外周切削)
- 内径加工(穴あけ、中ぐり)
- ネジ切り加工(ボルトやナットのネジ山)
- 面取りや溝入れなどの細部仕上げ
小型ながら高機能で、省スペースと高精度加工を両立した、現場でも非常に人気のある機種です。

出典:ヤマザキマザック
■ 発生した不具合の内容
お客様からご相談いただいたのは、以下のアラームが出て機械が動かないという症状でした。
- AL10 検出部異常(&00000007、&0001)
- AL31 サーボ異常1(&0000001B、&0001)
また、テールストックが動作しないという具体的な問題も併発していました。
画面上での工具番号表示には異常は見られず、制御系のトラブルであることが予想されました。
■ バッテリー交換後も回復せず…
実はこの機械、事前にバッテリー交換のご依頼をいただいており、当社からも新品バッテリーを納品済みでした。しかし、交換作業を実施しても症状は改善されず、今度は軸動作自体が一切できないという深刻な状況に陥りました。
不具合が機械の制御全体に及んでいる可能性があるため、メーカー(マザック)に出張修理を依頼することとなりました。